興行のぼり

歌舞伎や大衆演劇を観に劇場に足を運んだり、相撲を観戦しに国技館などに行って、色鮮やかなのぼり旗が何十本も風にはためいている光景を目にすると、観劇や観戦をする前から気分が高揚します。

歌舞伎や相撲などが行われる場所で立てられるのぼりは「興行のぼり」と呼ばれており、ほとんどののぼりには役者名や力士名が中央部分に書かれ、下部にはスポンサーやタニマチの名前が書かれています。

勝敗を白星、黒星と呼ぶ相撲界では、黒字は黒星を連想させることから避けられており、黄、赤、青、緑などの色を複数使って、色鮮やかなのぼりに仕上げられています。

興行のぼりで使用される字体は日本の伝統的な文化における書体が使われ、歌舞伎や相撲などの各分野では独自の文字を有しており、歌舞伎や寄席では勘亭流と呼ばれる書体、相撲は相撲体と呼ばれる書体があって、いずれの書体も毛筆書体の一種です。

飲食店やスーパーなどの店の前に立てられている一般的なのぼりは、ポリエステルの生地であるテトロンポンジという素材が使われていますが、歌舞伎や相撲が行われる場所で掲げられる興行のぼりでは、和や伝統の趣を漂わせたデザインを活かせる、重厚感あふれる綿を素材にしています。